今後、酪農化が生き残るには、「粗飼料由来のエネルギー摂取量を高くすることである」と、きくち酪農コンサルティング代表の菊地実さんが、デイリーマン2014年2月号の座談会で言っています。酪農現場で色々な問題に直面するたびに、原因を色々と考えます。特に、繁殖と乳質という最も酪農家にとって収入と直接関わるものを、少しでも良くしたいと思う時、やはりエサの品質という問題に突き当たります。
最近の酪農のトレンドとして、もはや乳量を追い求める時代は、完全に過去のものになったような気がします。乳量は結果であって、目的ではない。まずは、乳牛を健康に飼って生産物である牛乳の品質を、どれだけあげられるか!配合で乳量を確保しても、結局牛が病気になり、長生きしてくれないことは、多くの酪農家が経験済みなはずです。
高品質の粗飼料を生産、収穫、保存するためには、科学が必要です。土地の更新、施肥技術、適期収穫、品種の選定、収穫時の人の配置、サイレージの精製技術など、突き詰めて考えなければいけない課題が山のようにあります。これらの課題を少しづづ解決していかなければ、最高な粗飼料は作れません。考えるだけでため息が出ます。
そんなことを考えると、TMRセンターの役割が、今後は、地域の酪農を支えていく一つの手段になることは間違
いないと思われます。優秀な技術者が全体を把握し、緻密なさじ加減と、正しい方向性を示して、最高の粗飼料
を生産すれば、地域はもちろんエサの会社としても販路が広がり、コストの削減により飼料代も下げられます。
今後はそのような高い志を持った、TMRセンターが酪農家からも、熱望されていくのではないでしょうか?
デイリーサポート士別も、そのような組織を目指しているようです。
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