分娩後にオキシトシン投与

2014年10月号の、デーリーマンで(株)石井獣医サポートサービスの石井三都夫先生が、分娩後2~4時間にオキシトシンを投与すると、胎盤停滞の発生率は、25%⇒11%に、空胎日数は、124日⇒94日に減少すると1997年にMolloさんが報告していると書いています。石井先生自らも同様な試みをして、胎盤停滞発生率が34%⇒12%に減少したと報告しています。

オキシトシン1本で、これだけの効果が出るなら、酪農家は是非やるべきでしょう。

士別動物病院でも是非、酪農家に推奨していきたいと思います。

空胎日数を短くすれば、理論的には必ず酪農家は儲かるはずだと考えているはずです。しかし、発情が良くて子宮環境が良くても、必ず受胎するとは限りません。受胎率を上げるのは、神頼みの部分もあります。しかし、生産者が必ずできることが、ただ一つあります。それは、初回授精月日をなるべく早めることです。

これだけは、オブシンクをしようが、PGを使おうが、好き嫌いいい悪いは別にして、どうにかできるのです。実際、初回授精月日を早くすると、空胎日数は縮まります。ただし、初回授精月日をなるべく早くすると言っても、子宮内膜炎の子宮に授精しても受胎はしません。

子宮環境を早期に整えるためにも、分娩後のオキシトシン投与は、いい対策だと思います。

オキシトシンなんて使わなくても、後産がどんどん落ちる農場にやる必要はありませんけど。本当はこれが理想です。