ルーメン発酵

デーリーマン2015年7月号から。北大の上田宏一郎先生がルーメン発酵について書かれていました。

上田先生のなるほどと思ったのは、「牛とルーメン微生物は共生関係にある」というけれど、一方的に微生物から恩恵を受けているのではなく、牛自体も、微生物のためにより良い環境を提供している。そのための、システムが牛には出来あがっているんだと。それには3つある。「ルーメン壁の運動」「発酵産物のルーメン壁からの吸収」「反芻」。すなわち、これらの牛が微生物に提供するサービスが低下したときに、ルーメン発酵は異常をきたし、疾病につながっていく。そのサービス低下をもたらす最たる原因が、ルーメンアシドーシスである。とまぁ、かいつまんで言えばこんな感じです。

四変も、蹄病も、乳房炎も、繁殖障害も、すべてアシドーシスに源を発しています。

健康な牛群を作るためには、アシドーシス常態をいかにマイルドにするかが、課題です。



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コメント: 2
  • #1

    キャリームラムラ (水曜日, 12 8月 2015)

    今の牛は人の手によってフードファイターに知らずの内にさせられている。餌を沢山食べさせて、乳をもっと出せと。まるでフォワグラを作らさせられるガチョウのように。ギリギリの量を調整しながらの餌の給与は、病気を発症させる紙一重のような気がする。牛は、本当はどんな餌を食べたいのかな?

  • #2

    士別動物病院 田口 (金曜日, 28 8月 2015 03:37)

    キャリームラムラさん、コメント遅れてすいません。
    牛は、本当はどんなエサを食べたいのかな?という素朴な疑問は本質的な問いだと思います。この問いに誠実に答えていけば、おのずと答えが出てくると思います。人間もそうですけど、健康が一番だと思います。毎晩、飲み会が続くと、体がおかしくなってくるのがわかります。牛も配合を食べれば、体が調子悪くなるとわかれば、食べるのをやめればいいと思うんですが、おいしいんでしょうね!酪農家は、栄養士に徹しないといけないですね!