厳しいNZ酪農

デーリーマン9月号に、ニュージーランドの厳しい酪農事情が記事に載っていました。簡単に言えば、生産者が得る乳代よりも生産費(経費)が上回ってしまい今年(2015年)の6月から来年の5月までは、利益が出ない状態が続くということです。

その前に、ニュージーランド酪農の特徴を簡単に説明しますと、ニュージーランドの酪農家1万2150戸のうち1万0500戸は、フォンテラ社という乳業メーカーと取引をしています。フォンテラ社が生産者から買い取る乳価は、乳製品の国際指標であるグローバルデーリートレードと為替などから計算されて決定されます。乳価は毎年5月に発表されて、6月から来年の5月まではその発表された乳価で取引されます。ニュージーランドの生乳生産量が2060万t、日本が750万t。ニュージーランドの人口が430万人、日本1億2000万人。ですから、ニュージーランドの乳製品の95%近くは輸出されています。

今年の乳価は、乳固形分1kgあたり3.85NZドルで、これは生産費5.70NZドルを32%も下回るものです。

ニュージーランド酪農のように、ほとんどを輸出に依存している国にとって、国が売り先を見つけることは死活問題に関わる重要なことです。

国際競争力と簡単に言っても、市場に左右されるものを大量に生産しても、極めて危険なことがよくわかります。

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コメント: 1
  • #1

    フランチャイルド (土曜日, 06 2月 2016 10:56)

    TPPで輸入が自由化になるといっても、外国も大変なんですね。
    日本の大変な面が取り沙汰されて、報道・問題となっていますが、
    お互い様なんですかね。
    Win-Winになるのは、なかなか難しいのでしょうか。
    食べ物を食して生きている我々ですから、生産者を守る事が大切ですね。