マイコプラズマ感染症について

 マイコプラズマは、肺炎、乳房炎、関節炎、中耳炎など牛の感染症を考えるうえで、大変重要な病原菌です。このマイコプラズマに関して、臨床獣医20172月号で、酪農学園の樋口先生が興味深いことを書かれていました。

 マイコプラズマは、Vspという菌体表面にある生体への接着を担うタンパク質の発現パターンを変化させる能力があるらしいのです。マイコプラズマは、自身の抗原性を巧みに変化させながら免疫を回避しているようです。

 また、マイコプラズマの増殖は、生体側(宿主側)に依存するために、環境での存在はあまり詳細がわかっていなかったようですが、感染農場では、敷料、飼槽、水槽および空気中などからもマイコプラズマはが検出されることがわかってきたようです。また、環境中に存在しているマイコプラズマは、条件がそろえばその環境中でも爆発的に増えることも可能らしいのです。

 肉牛素牛農家でマイコプラズマ性中耳炎が次から次へと感染する時期があるのですが、あれは、環境の方からも対策を実行しないとなかなか収束しないのかもしれませんね。